●江戸明治和本●〈増補ゑ入〉小児必用記[小児必用養育草](正徳4年初板本) 【判型】半紙本6巻6冊。縦227粍。 【作者】香月牛山作。香月秀房・杏三折序。 【年代等】元禄16年8月香月秀房序。正徳4年3月杏三折序。同年5月刊。[大阪]秋田屋市兵衛ほか板。 【備考】分類「医学」。『〈増補ゑ入〉小児必用記[小児必用養育草]』は、秀房序文に「初生よりの養育と痘疹(いもはしか)のこと、および十歳までの教誡(おしえ)をつまびらかにしるせり」とあるように、小児誕生から養育、小児病とその療法、年代別教育法まで幅広く記した本邦初の体系的育児書。第1巻は「小児養育の総論」以下12章で、誕生から乳児養育までの心得や、出産直後の薬剤や臍の緒の断ち方、産湯・湯浴み、乳付け、乳母、小児衣類・産衣等について。第2巻は「生子養育の説」以下7章で、産髪・宮参り・髪置き、飲食・食い初め、小児諸病等。第3巻は「小児諸病の説」のみ。第4巻は「中花(もろこし)・我国共に痘瘡(いも)初めて流行するの説」以下15章、第5巻は「痘瘡収靨(いもしゅうえん)の時節善悪の説」以下6章で、大半が「痘瘡(天然痘)」に関する記事。第6巻は「小児物を見知る時よりの教の説」以下5章で、小児の遊戯や教誡について。特に第6巻では、物を見分けるようになった頃からの教えを順々に説き示し、「拍子(てうち)」「振頭(かぶり)」の由来や意義、『礼記』等に見える食礼や男女の返事の仕方、小児遊戯の意義、さらに読み・書き・算盤や諸芸、礼儀作法など5-6歳以後の年代別教育法(貝原益軒の「随年教法」よりも早い)までを懇切丁寧に述べる。最後に、いかに傍若無人の振る舞いをなす「地下(じげ)がかり」の子どもでも良く教えれば善良になるのであり、子どもが善良でない責任は全て父母の教育にあると指摘し結ぶ。 ★原装・題簽付・概ね美本。【参考価格(初出品時の相場):日本の古本屋で、寛政・増補版が、45,】。 ◎この商品はメルカリ「和本倶楽部」と個人HP「往来物倶楽部」のみで販売しているものです。それ以外のショップは全て詐欺です。ご注意ください。
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